●侍タイムスリッパー

緩い信念?と寺報
『侍タイムスリッパー』鑑賞。時代は幕末。藩敵として命のやり取りをしていた最中、落雷により現代にタイムスリップ。時代劇の斬られ役として餬口をしのぐ主人公の前に、三十年前にタイムスリップした敵が、時代劇の大スターとして登場し、映画の撮影を通して、再び相見えるというストーリー。
鑑賞者からは、「時代劇の撮影という虚構の中で、捨てきれない信念をぶつけ合う二人。その織り交ぜ具合が絶妙」「三十年の時間差がなければ、二人が通じ合うことはなかった」等の感想がでました。
私は、法然上人が殺害された父から託された遺言、「怨敵とも出遇う道を歩め(主意)」を思い出しました。「例え利害関係が対立していても、心の奥底では共に出遇いたいという願いがあるからこそ私たちは苦しむのです」と習いました。
しかし、信念が固ければ固いほど、その信念に囚われ、出遇いを妨げ、容易ではないことが、映画の緊張感からビシビシ伝わってきました。ある意味、信念は緩い方が良いのではと考えさせられました。
さて、寺報の遅れは固い信念ではない。トホホ…
●映画情報
解説・あらすじ
現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディ。
幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する。
テレビドラマ「剣客商売」シリーズなど数々の時代劇に出演してきた山口馬木也が主演を務め、冨家ノリマサ、沙倉ゆうのが共演。「ごはん」「拳銃と目玉焼」の安田淳一が監督・脚本を手がけ、自主制作作品でありながら東映京都撮影所の特別協力によって完成させた。
2024年8月17日に池袋シネマ・ロサの一館のみで封切られ(8月30日からは川崎チネチッタでシーンを追加した「デラックス版」が上映スタート)、口コミで話題が広まったことから同年9月13日からはギャガが共同配給につき、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷ほか全国100館以上で順次拡大公開。インディペンデント映画として異例の大ヒットを記録したうえ、第48回日本アカデミー賞では最優秀作品賞を受賞する快挙となった。
2024年製作/131分/G/日本
配給:ギャガ、未来映画社
劇場公開日:2024年8月17日
スタッフ・キャスト
監督
安田淳一
脚本
安田淳一
撮影
安田淳一
高坂新左衛門:山口馬木也
風見恭一郎:冨家ノリマサ
山本優子:沙倉ゆうの
殺陣師・関本:峰蘭太郎
宗教法人・慈雲山明顕寺(真宗大谷派・兵庫県丹波市柏原町)では、仏さまの教えを身近に感じていただけるお寺として、法事・葬儀・納骨・永代供養・墓じまい・個別納骨・合同納骨など、各種のご相談を承っております。
人生の節目を、安心してお任せいただけるよう、これからも心を込めてお手伝いしてまいります。どうぞお気軽にお問い合わせください。