●お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方

愚かさとお手間の先にBGM…
映画『お終活』鑑賞。ママさんコーラスの仲間に夫の愚痴をこぼす妻、雀荘で妻を愚痴る夫。事あるごとに喧嘩を繰り返す熟年夫婦が、実は深層意識で深く結びついていることを教えてくれる作品。
住職をさせて頂いていると葬儀後、故人の存在の大きさに気づかされる場面に何度も出会います。もちろん私も例外ではありませんが、それを親鸞聖人は「愚か」という言葉で押さえられ、「その愚かさこそを慈しんで下さるのが阿弥陀様です」と教えて下さいます。
それは私たちが、善悪・正誤や損得、都合不都合といった表層意識に振り回され、如何に深層意識に気づくことが難しいかということでもあります。
劇中、「愛とは許すこと」と葬儀会社の先輩から言われた新人が、きっかけや様々なお手間、時間を経なければその一言に頷けない姿に自分を重ねました。
「仏法を聞く」のも同じではないでしょうか。
ところで、お葬式のシーンで真宗僧侶が読経しているのですが、ストーリーには1ミリも絡まず、僧侶がBGM扱いというのは皮肉でしょうか。トホホ…
●映画情報
解説・あらすじ
仕事や子育てが一段落した熟年夫婦の騒動をコミカルに描いたドラマ。結婚50年を迎える大原夫妻。定年退職した夫の真一が家にずっといることで、妻の千賀子は夫在宅ストレス症に陥っていた。相手への気遣いもまったくなくなり、真一は健康麻雀、千賀子は健康コーラスに通って趣味仲間にお互いの愚痴を言い合う2人は熟年離婚寸前となっていた。そんな中、葬儀社に転職したばかりの菅野と出会った娘の亜矢は終活フェアの存在を知る。亜矢から終活フェアへの参加を勧められた千賀子はフェアに足を運び、前向きに今後のことを考えようとするが、千賀子の終活への姿勢に、真一は「縁起でもない」と嫌がり、夫婦に新たな危機が生まれてしまう。葬儀社の菅野役を「BOYS AND MEN」のリーダー水野勝、真一と千賀子夫妻役を橋爪功、高畑淳子、娘の亜矢役を剛力彩芽がそれぞれ演じる。
2021年製作/113分/G/日本
配給:イオンエンターテイメント
劇場公開日:2021年5月21日
スタッフ・キャスト
監督
香月秀之
脚本
香月秀之
製作
谷口誠治 米澤義一 米澤誠 有馬一昭 永森裕二 鈴木敢 山口貢 大島斉
菅野涼太:水野勝
大原亜矢:剛力彩芽
桃井梓:松下由樹
宗教法人・慈雲山明顕寺(真宗大谷派・兵庫県丹波市柏原町)では、仏さまの教えを身近に感じていただけるお寺として、法事・葬儀・納骨・永代供養・墓じまい・個別納骨・合同納骨など、各種のご相談を承っております。
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