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映画と真宗⑦

寺報

2025.09.28

『遺体』鑑賞。東日本大震災により家族を失った方々の悲しみに寄り添う、元葬儀社職員の奮闘を描く。

「死体ではなくご遺体です」に始まり、寒かろうとご遺体に毛布を掛け、生きているかの如く話しかける。不審に思った行政職員達も、真摯に接する姿に遺族の表情が変わっていくのを目の当たりにし、自分たちも「やるべし」とできる事に勤しみだした。

中でも印象に残ったのは、手を合わせる場所を作り出した事。極限の状態下で簡易的なものだが、徐々に粗末なお供えが増えていくシーンに胸が締め付けられる思いがしました。

ある先生が、人間とチンパンジーの違いは何かと問われたら「二足歩行や前頭葉の発達等答える人が多いが、私は家族の遺体を獣から守るため、土に埋めるという無駄な事を始めたところから人間になったと思う」と仰り、腑に落ちた。

そういう意味で人間は、手を合わせる心の上に成立していると言えます。いくら時代が変わっても、人である限りそれは、お釈迦様以前から未来永劫に変わらないのではないでしょうか。

さて毎月の、寺報の発行遅れも不変?トホホ…

●映画情報

解説・あらすじ

東日本大震災直後の遺体安置所での出来事を、西田敏行主演、君塚良一監督で描いた人間ドラマ。震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市の遺体安置所を取材した石井光太氏のルポタージュ「遺体 震災と津波の果てに」(新潮社刊)をもとに、震災直後の混乱のなか、次々と運ばれてくる多くの遺体に戸惑いながらも、被災者である釜石市民の医師や歯科医たちが、犠牲者を一刻も早く家族と再会させてあげたいという思いから、遺体の搬送や検視、DNA採取や身元確認などのつらい作業にあたる姿が描かれる。主演の西田のほか、緒形直人、勝地涼、國村隼、佐藤浩市、柳葉敏郎ら豪華俳優陣が出演する。

2012年製作/105分/G/日本
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2013年2月23日

スタッフ・キャスト

監督
君塚良一
製作
亀山千広
エグゼクティブプロデューサー
種田義彦
相葉常夫:西田敏行
土門健一:緒形直人
及川裕太:勝地涼
芝田慈人:國村隼

宗教法人・慈雲山明顕寺(真宗大谷派・兵庫県丹波市柏原町)では、仏さまの教えを身近に感じていただけるお寺として、法事・葬儀・納骨・永代供養・墓じまい・個別納骨・合同納骨など、各種のご相談を承っております。

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