CONTENTS 住職のトホホ…
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映画と真宗⑧

寺報

2025.09.30

『愛する人に伝える言葉』鑑賞。俳優養成学校の教師である主人公が冒頭で余命宣告を受ける。僅かに残された時間。医療スタッフと母親の支援を受けながら拒絶、怒り、悲嘆を経て、人生を見つめ直し、今できること、「人生の整理」をしながら、最後の瞬間まで生きる姿を描いた作品。

主治医役の方は現役の癌の専門医だ。医療者たちが日々、迷い、傷つきながら患者とその家族に寄り添っているのかがわかり、看護師をしている娘たちを思った。

劇中、医師が中心になり、医療者の心をケアし、最後は歌って終わるミーティングのシーンがある。先輩と呑みに行くだけの娘たちと随分違うのだなあと感じた。また、主治医がスタッフたちに「患者にとって最大の贈り物は、死んでも良いという許可である」という言葉にも考えさせられた。

ところで、演技指導の途中、生徒から「存在感とは何か?」と質問され、答えることが出来ず、主人公が終盤に「分かった」と言う場面があるが、最後まで明かされない。

その答えは各自で見つけるべきものという事だろうが、とってもモヤモヤする。トホホ…

●映画情報

解説・あらすじ

フランスを代表する名優カトリーヌ・ドヌーブと「ピアニスト」のブノワ・マジメルが共演し、ガンで余命宣告を受けた男とその母が穏やかに死と対峙していく姿を描いたヒューマンドラマ。

人生半ばにして膵臓ガンを患ったバンジャマンは、母クリスタルとともに、名医として知られるドクター・エデのもとを訪れる。ステージ4の膵臓ガンは治せないと告げられ自暴自棄になるバンジャマンに対し、エデは病状を緩和する化学療法を提案。エデの助けを借りながら、クリスタルはできる限り気丈に息子の最期を見守ることを決意するが……。

主人公に愛情を寄せる看護師を「モンテーニュ通りのカフェ」のセシル・ドゥ・フランス、主治医のドクター・エデを実際にガンの専門医であるガブリエル・サラが演じる。監督は「太陽のめざめ」のエマニュエル・ベルコ。2022年・第47回セザール賞でマジメルが最優秀主演男優賞を受賞。

2021年製作/122分/G/フランス
原題または英題:De son vivant
配給:ハーク、TMC、S・D・P
劇場公開日:2022年10月7日

スタッフ・キャスト
監督
エマニュエル・ベルコ
製作
フランソワ・クラウス ドゥニ・ピノ=バランシエンヌ
脚本
エマニュエル・ベルコ マルシア・ロマーノ
クリスタル:カトリーヌ・ドヌーブ
バンジャマン:ブノワ・マジメル
ユージェニー:セシル・ドゥ・フランス
ドクター・エデ:ガブリエル・サラ

宗教法人・慈雲山明顕寺(真宗大谷派・兵庫県丹波市柏原町)では、仏さまの教えを身近に感じていただけるお寺として、法事・葬儀・納骨・永代供養・墓じまい・個別納骨・合同納骨など、各種のご相談を承っております。

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