●フランス組曲

悲しみと向き合うには時間がかかります
『フランス組曲』鑑賞。憎むべき敵が、突然自分たちの生活に入り込んできたらどう振る舞うべきなのか?占領下の非常事態を懸命に生き延びようとする「普通の人々」の姿を描いた作品。胸を焦がすような禁断の恋を軸に、狭い世界に生きていた女性が、ひとりの自立した自由な個人へと開眼していく姿を描いている。SNS上にあふれる悪意が、戦時下では現実の悪意となって人の生き死に及ぶ様は恐ろしく感じた。
原作は、若くしてアウシュビッツで命を落としたユダヤ人人気女性作家イレーヌ・ネミロフスキーが「どんなときも決して手放してはいけない」と娘に託したトランクから、60年の歳月を経て発見された未完の原稿を、娘たちの手によって完成させたもの。ナチスから逃亡生活を続ける間も形見のトランクを大切に保管していたが、そこに入っているノートは母の日記であると思い込んでいた。辛い思い出に向き合うことを恐れ、悲しみとともに封印されていたそうだ。
ましてや、満中陰法要を営んでもご門徒の辛い思いが消える訳もなく、無力を感じる昨今。トホホ…
●映画情報
解説・あらすじ
1942年にアウシュビッツでその生涯を閉じた女性作家イレーヌ・ネミロフスキーによる未完の小説を、「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ主演で映画化。「ある公爵夫人の生涯」のソウル・ディブが監督・脚本を手がけ、フランス人女性とナチスドイツ将校の許されざる愛を軸に、過酷な状況の中で必死に生きる人々の姿を描き出す。1940年、ドイツ占領下にあるフランスの田舎町。出征中の夫の帰りを待つリュシルが厳格な義母と暮らしている屋敷に、ドイツ軍中尉ブルーノがやって来る。音楽を愛するリュシルとブルーノは自然と親しくなり、お互いにかけがえのない存在となっていく。共演は「君と歩く世界」のマティアス・スーナールツ、「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「スーサイド・スクワッド」のマーゴット・ロビー。
2014年製作/107分/PG12/イギリス・フランス・ベルギー合作
原題または英題:Suite Francaise
配給:ロングライド
劇場公開日:2016年1月8日
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スタッフ・キャスト
監督
ソウル・ディブ
製作
ザビエル・マーチャンド ロマン・ブレモン マイケル・クーン アンドレア・コーンウェル
製作総指揮
チャールズ・レイトン クリスティーン・ランガン ボブ・ワインスタイン ハーベイ・ワインスタイン レン・ブラバトニック
リュシル・アンジェリエ:ミシェル・ウィリアムズ
アンジェリエ夫人:クリスティン・スコット・トーマス
ブルーノ・フォン・ファルク中尉:マティアス・スーナールツ
ブノワ・ラバリ:サム・ライリー
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