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映画と真宗⑩

寺報

2025.10.10

『空白』鑑賞。中学生の一人娘を事故で亡くし、その現実を受け止めることができずに怒りに支配され、モンスターペアレント化した父親が周囲を巻き込んでいくお話。マスコミが面白おかしく報道し火に油を注いでいく様は「然もありなん」でした。そんな父親も身近な人に寄り添われ、あるきっかけを通して娘さんの死を悲しむことができたラストにホッとしました。

あるご門徒さんが七回忌の折、「あの人はもういないんだということがようやく分かりました」と語られました。状況や関係により、人にはそれぞれの悲しみのスピードが違って当然だと思います。

ところで、9日~11日、第29回真宗同朋の会全国交流研修会が同朋会館で開催され、助言者として参加。真城先生のご法話中、アメリカの大学のチームが脳波などを測定し、人間の怒りについて研究したところ、一番長い人で90分だったことを紹介され、本来、純粋な怒りは持続しないのに、「この恨みは一生忘れない」と煩悩が濁る。この濁りが良くないと話されました。心当たりが多すぎて言い訳できません。トホホ…

●映画情報

解説・あらすじ

「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督によるオリジナル脚本作品で、古田新太主演、松坂桃李共演で描くヒューマンサスペンス。女子中学生の添田花音はスーパーで万引しようとしたところを店長の青柳直人に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれて死んでしまう。娘に無関心だった花音の父・充は、せめて彼女の無実を証明しようと、事故に関わった人々を厳しく追及するうちに恐ろしいモンスターと化し、事態は思わぬ方向へと展開していく。悪夢のような父親・添田を古田、彼に人生を握りつぶされていく店長・青柳を松坂が演じ、「さんかく」の田畑智子、「佐々木、イン、マイマイン」の藤原季節、「湯を沸かすほどの熱い愛」の伊東蒼が共演。

2021年製作/107分/PG12/日本
配給:スターサンズ、KADOKAWA
劇場公開日:2021年9月23日

スタッフ・キャスト

監督
吉田恵輔
脚本
吉田恵輔
企画
河村光庸
添田充:古田新太
青柳直人:松坂桃李
松本翔子:田畑智子
野木龍馬:藤原季節

宗教法人・慈雲山明顕寺(真宗大谷派・兵庫県丹波市柏原町)では、仏さまの教えを身近に感じていただけるお寺として、法事・葬儀・納骨・永代供養・墓じまい・個別納骨・合同納骨など、各種のご相談を承っております。

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