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コーナー

映画と真宗①

寺報

2025.09.16

『陪審員2番』鑑賞。結婚を機にアルコール依存を脱した主人公が陪審員に選ばれる。付き合っていた女性と口論の末激情し、車で轢き谷に落としたとされる被告人が、無罪を訴えても誰一人信じてくれない。その姿に同情した主人公は、丁寧な審議を訴える。

しかし、審議が進むにつれ、鹿を轢いたと思っていた主人公に、自分が女性を轢いたのではないかという疑念が芽生え、まるでジグソーパズルのピースが嵌まっていくように追い詰められていく。また、起訴した判事も捜査に疑問を抱く。二人の葛藤を対照的に描いた心理サスペンス。

不運が重なったとしか言い様がないのだが、正義を貫く事が如何に難しいか。もし自分なら…。二人の選択を責める事は出来ないと感じました。

さて、親鸞聖人は、縁次第では、如何なる事もしてしまうのが私たち凡夫であると教えて下さいます。かつて中村哲医師が「アフガンに生まれていたら私はゲリラになっていた」と仰ったことを思い出しました。

私が犯罪者になってないのも、たまたま、そういう縁に遭ってないだけなのかもしれない。

トホホ…

●映画情報

「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッドが、94歳を迎えた2024年に発表した監督作。ある殺人事件に関する裁判で陪審員をすることになった主人公が、思いがけないかたちで事件とのかかわりが明らかになり、煩悶する姿を描いた法廷ミステリー。

ジャスティン・ケンプは雨の夜に車を運転中、何かをひいてしまうが、車から出て確認しても周囲には何もなかった。その後、ジャスティンは、恋人を殺害した容疑で殺人罪に問われた男の裁判で陪審員を務めることになる。しかし、やがて思いがけないかたちで彼自身が事件の当事者となり、被告を有罪にするか釈放するか、深刻なジレンマに陥ることになる。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルトが主人公ジャスティンを演じるほか、「ヘレディタリー 継承」のトニ・コレット、「セッション」のJ・K・シモンズ、「24 TWENTY FOUR」のキーファー・サザーランドらが共演。陪審員のひとりとして、リアリティ番組「テラスハウス」などに出演した日本人俳優の福山智可子も出演している。

2024年製作/114分/アメリカ

スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
製作
クリント・イーストウッド ティム・ムーア ジェシカ・マイヤー アダム・グッドマン マット・スキーナ
製作総指揮
デビッド・M・バーンスタイン エレン・ゴールドスミス=バイン ジェレミー・ベル
ニコラス・ホルト
トニ・コレット
J・K・シモンズ
クリス・メッシーナ

宗教法人・慈雲山明顕寺(真宗大谷派・兵庫県丹波市柏原町)では、仏さまの教えを身近に感じていただけるお寺として、法事・葬儀・納骨・永代供養・墓じまい・個別納骨・合同納骨など、各種のご相談を承っております。

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