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新しい一年の始まりを、お寺で。丹波市・明顕寺の「修正会(しゅしょうえ)」で心を整える

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2025.06.16

「あけましておめでとうございます」

新しい年が明けると、清々しい気持ちと共に、私たちは「今年こそは良い一年にしたい」と新たな目標や願いを心に抱きます。多くの方が、神社へ初詣に出かけ、一年の幸を祈願されることでしょう。

では、「お寺での新年の始まり」は、どのようなものかご存知でしょうか。

こんにちは。兵庫県丹波市の真宗大谷派 明顕寺(みょうけんじ)です。 私たち浄土真宗の寺院では、元旦に**「修正会(しゅしょうえ)」**という法要を執り行います。これは、神社での初詣とは少し趣の異なる、静かで、心を見つめるための大切な新年の集いです。

この記事では、この「修正会」という行事が持つ意味と、明顕寺での過ごし方についてご紹介します。

「修正会」とは、自分を振り返り、心を新たにする集い

「修正」という言葉には、「あやまちを正し、あらためる」という意味があります。

修正会は、単に新年を祝うだけではありません。まず、過ぎ去った一年を静かに振り返り、知らず知らずのうちに犯してしまった過ちや、自身の至らなかった点を反省することから始まります。

私たちは、日々の生活の中で、自分の欲望や怒り、ねたみといった煩悩(ぼんのう)によって、誰かを傷つけたり、自己中心的な振る舞いをしたりしてしまうことがあります。その行いを仏様の前で見つめ直し、静かに懺悔(さんげ)する。そして、「新しい一年こそ、仏様の教えをしっかりと聞き、心穏やかに過ごせますように」と、気持ちを新たにする。

それが、修正会の持つ大切な心です。賑やかに願い事をするのではなく、厳かな空気の中で、自分自身の内面と向き合う。それが、お寺で迎える新年の大きな特徴です。

明顕寺の修正会は、どなたでもご参加いただけます

明顕寺では、毎年元旦の朝に、この修正会を執り行っています。

凛と冷えた新年の空気の中、荘厳に飾られた本堂で、ご住職と共にお勤め(お経を読むこと)をします。その後、ご住職から新しい年を迎えるにあたっての短い**「法話(ほうわ)」**があります。一年の計を立てる上で、きっと心の指針となるようなお話が聞けることでしょう。

法要の後には、一年の無病息災を願う**お屠蘇(おとそ)**が振る舞われることもあります(ノンアルコールの甘酒などをご用意する場合もございます)。

この集いは、檀家様や門徒様だけのものではありません。 「今年は静かな気持ちで新年を始めたい」 「初詣とは別に、お寺にもお参りしたい」 と思われる方であれば、どなたでも、ご予約不要でお気軽にご参加いただけます。服装も普段着で構いません。

来年の始まりは、ぜひ明顕寺で

年の瀬が近づくと、何かと慌ただしくなりがちです。しかし、そんな時だからこそ、一年に一度、静かに自分と向き合う時間を持ってみてはいかがでしょうか。

多くの人で賑わう初詣も素晴らしいものですが、お寺の修正会には、心が洗われるような、穏やかで清らかな時間が流れています。

まだ少し先の事ではありますが、次の新しい年を迎える際には、ぜひ明顕寺の修正会へお参りください。澄み渡った元旦の空気の中、仏様にご挨拶し、心をリセットしてから一年を始める。それはきっと、その年をより豊かで、心安らかなものにしてくれるはずです。

皆様と共に、清々しい新年を迎えられますことを、心よりお待ちしております。

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