「永代供預を申し込んだら、もうお寺に行くことはないのでしょうか?」 「故人が、いつ、どのように供養されているのか知りたい」 「お墓の管理はお任せしたいけど、故人を思う気持ちが薄れてしまうのは寂しい…」
永代供養を選ばれる際、その後の管理や費用の心配がなくなる一方で、このような「故人様とのご縁のつながり」に関する、新たなご不安を感じる方もいらっしゃいます。
こんにちは。兵庫県丹波市の真宗大谷派 明顕寺(みょうけんじ)です。
まず、はっきりとお伝えしたいことがあります。 明顕寺において、**永代供養は、決してご縁の「終わり」ではありません。**むしろ、お寺が責任をもって永代にわたり故人様をお守りしていく、新しいご縁の「始まり」です。
この記事では、永代供養を申し込まれた後、明顕寺の「年間行事」を通じて、故人様とのつながりをどのように持ち続けていただけるのか、具体的にご説明します。
永代供養とは「何もしなくていい」ことではありません
永代供養の大きな利点は、お墓の掃除や管理といった、物理的なご負担がなくなることです。しかしそれは、「故人を偲ぶ気持ちまで、お寺に丸投げして何もしなくていい」ということでは決してありません。
故人様を大切に思うお気持ちがあるからこそ、永代供養という形を選ばれたはずです。その尊いお気持ちを、これからも持ち続けていただく。そして、私たちお寺が、その気持ちに寄り添い、共に故人様を偲ぶ場をご提供し続ける。それが、明顕寺が考える永代供養の理想の形です。
そのための大切な機会となるのが、お寺で一年を通して執り行われる**「年間行事」**なのです。
ご自由に参加できる、明顕寺の主な年間行事
永代供養をされている方も、もちろん、これからご紹介する年間行事に自由にご参加いただけます。故人様を思い出し、お参りをする、良いきっかけとしてください。
- 修正会(しゅしょうえ) – 1月1日 一年の始まりである元旦に、過ぎた年を反省し、新たな気持ちで一年を始める法要です。清々しい空気の中、故人様に新年のご挨拶をされてはいかがでしょうか。
- 春季・秋季彼岸会(ひがんえ) – 3月・9月 春分の日と秋分の日を中心に行われる、ご先祖様に感謝を捧げる法要です。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、季節の変わり目に、故人を偲び、仏様の教えに耳を傾けます。納骨堂へのお参りと合わせて、多くの方がお越しになります。
- お盆(盂蘭盆会・うらぼんえ) – 8月 ご先祖様の霊をお迎えし、供養する、夏の大切な行事です。明顕寺でも法要を執り行い、集まった皆様と共に、故郷に還ってこられたご先祖様を偲びます。
- 報恩講(ほうおんこう) – 11月 浄土真宗の宗祖・親鸞聖人のご命日法要で、一年で最も大切な行事です。故人様が拠り所とされた教えに、改めて感謝し、耳を傾ける一日です。
これらの行事の日程は、毎年お手紙やウェブサイトでお知らせいたします。ご都合のつく時に、ぜひお気軽にお運びください。
「合同」だからこそ感じられる、温かいつながり
永代供養墓や納骨堂では、これらの年間行事の際に**「合同法要」**という形で、皆様のご先祖様を一緒にご供養いたします。
「個別の方が、丁寧なのでは?」と思われるかもしれません。しかし、合同法要には、他にはない温かさがあります。
自分と同じように、大切なご家族を亡くされ、手を合わせる方々。血のつながりはなくても、同じ場所で、同じ時間を共有し、同じように故人を想う。その空間に身を置くとき、「故人は、決して独りではないのだな」「自分も、独りではないのだな」という、静かで、しかし確かな安心感に包まれるはずです。
まとめ:ご縁は、いつでも、いつまでも
永代供養を選ばれた後も、故人様とあなた様、そしてお寺とのご縁が、途切れることは決してありません。
明顕寺の年間行事は、いつでもあなた様をお待ちしています。 故人様の命日に、お誕生日に、あるいは、何か報告したいことができた日に。どうぞ、いつでもお好きな時にお参りください。そして、年に数回の行事の際には、ぜひ多くの方々と一緒に、故人様を偲ぶ温かい時間を過ごしていただければ幸いです。
そのつながりこそが、永代にわたる供養の、本当の姿なのですから。