●舟を編む

辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその舟を編んでいく…
『舟を編む』鑑賞。日頃から収集した100万語以上の言葉から24万語を厳選し、語注を推敲し編纂する作業。一冊の辞書が出来上がるまで18年間という膨大なお手間がかかるという映画。仏教語辞典という物があるが、印度からシルクロードを渡り、中国~朝鮮を経て日本に伝わり、更に翻訳作業まで加わる。先達方のご苦労が積み重なって、私にもお経の言葉が少しだけ分かるという事が起こっているのだと考えると、凄いと思う。
また劇中、「言葉の意味を知りたいとは、誰かの考えや気持ちを、正確に知りたいということです。それは、人とつながりたいという願望ではないでしょうか」という台詞が印象に残った。阿弥陀様が「一つの所で共に出遇う」お浄土を建立されたのも、それが人間の根源的な願いだからなのではないでしょうか。
さて、娘に文末に付ける「草」という言葉を教わった。「笑い」の意味らしい。ネット上のやり取りで、笑いを省略して「W」と記すのを草に見立てたのだそうだ。中笑いは「森」、大爆笑は「アマゾン」となるらしい。理解不能。誰か辞書をお願いします。トホホ…
●映画情報
解説・あらすじ
出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書づくりに取り組む人々の姿を描き、2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの同名小説を映画化。
玄武書房の営業部に勤める馬締光也は、独特の視点で言葉を捉える能力を買われ、新しい辞書「大渡海(だいとかい)」を編纂する辞書編集部に迎えられる。個性的な編集部の面々に囲まれ、辞書づくりに没頭する馬締は、ある日、林香具矢という女性に出会い、心ひかれる。言葉を扱う仕事をしながらも、香具矢に気持ちを伝える言葉が見つからない馬締だったが……。
馬締役で松田龍平、香具矢役で宮崎あおいが出演。監督は「川の底からこんにちは」「ハラがコレなんで」の俊英・石井裕也。第86回アカデミー外国語映画賞の日本代表作品に選出。第37回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか6冠に輝いた。初公開から10周年となる2024年の3月に、35ミリフィルム上映を含む期間限定リバイバル上映。
2013年製作/133分/G/日本
配給:松竹、アスミック・エース
劇場公開日:2024年3月1日
その他の公開日:2013年4月13日(日本初公開)
配信で「舟を編む」を見る
スタッフ・キャスト
監督
石井裕也
原作
三浦しをん
脚本
渡辺謙作
馬締光也:松田龍平
林香具矢:宮崎あおい
西岡正志:オダギリジョー
岸辺みどり:黒木華
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